関東北部の内陸に位置する群馬は、山に囲まれた自然の豊かな地域です。火山も多く、そのエネルギーによって様々な景観が形づくられています。また群馬は日本有数の温泉大国としても知られています。ここでは、旅行会社のバスツアーなどで訪れることのできる群馬の観光地の中から、温泉と自然、二つの切り口でおすすめスポットを紹介します。
バス旅で温泉気分!
群馬は温泉の宝庫で、「温泉大国」とも呼ばれるほどたくさんの温泉地に恵まれています。温泉といえばバス旅の王道のひとつ。せっかく群馬を旅するならやっぱり温泉ははずせませんよね。
その1草津温泉(吾妻郡草津町)
群馬の温泉といえば、まず思い浮かぶのが草津温泉ではないでしょうか。
草津温泉は日本を代表する名湯のひとつに数えられており、温泉の湧出量が毎分32300リットル以上と日本一の数値を誇っています。泉質は基本的に酸性ですが、硫黄泉の場所も一部あるとのことです。
温泉街の中心部には湯畑があり、草津温泉を象徴する風景が見られます。湯畑はまた、草津温泉を代表する源泉でもあり、ここでとれる湯の花は土産物として販売もされています。湯畑の周囲はロータリーになっており、放射状にのびる道路から共同浴場や売店、宿泊施設などへアクセスできます。
外湯の共同浴場が多いことが特徴で、宿泊施設も旅館をはじめ、リゾートホテルやペンションもあって好みのタイプを選べます。
その2伊香保温泉(渋川市)
草津温泉とともに群馬を代表する温泉のひとつが伊香保温泉です。狭く急な石の階段沿いにのびる温泉街の風景が旅情をそそりますね。昔ながらの風情を残す温泉街には、旅館や飲食店だけでなく、懐かしい射的などの遊技場も見られます。
石段の上には源泉があり、温泉が湧き出す様子を見ることができたり、すぐ近くにある露天風呂に浸かったりもできます。伊香保温泉の湯には二つの種類があり、黄金の湯は茶褐色で泉質は硫酸塩、また白銀の湯は透明で泉質はメタけい酸です。
ところで、温泉地の定番みやげといえば茶色い温泉饅頭ですが、実はこれは伊香保温泉が発祥なのだそうで、ここでは湯の花まんじゅうとして売られています。その他の名物として、水沢うどんも是非味わってみたいところですね。
その3月夜野温泉(利根郡みなかみ町)
月夜野温泉は、標高1123メートルの三峰山(みつみねやま)のふもとにある小さな温泉です。温泉地は高台に位置しており、上から見渡す里山の風景はとてものどかです。なだらかな形をした三峰山もよく見えています。
月夜野温泉の泉質はアルカリ性で、温泉街には旅館と日帰り入浴施設があり、宿泊でも日帰りでも楽しむことができます。また利根川をはさんで月夜野温泉の対岸は、真沢(さなざわ)温泉という別の温泉地です。ただし、こちらも含めて月夜野温泉と呼ばれることもあるそうです。
泉質はメタけい酸で、旅館では日帰り入浴も可能だとのことです。
その4奥利根温泉(利根郡みなかみ町)
日本一の流域面積を誇る利根川の源流に近い場所に位置する水上高原。関東の最北端にあたるこの地域に温泉地が点在しており、これらを総称して奥利根温泉と呼んでいます。四方を山に囲まれ、静かで落ち着いた、秘湯ムード満点の温泉です。
このあたりは群馬でも有数の豪雪地帯で、冬に訪れると雪見風呂も楽しめそうです。泉質はアルカリ性(メタけい酸)で、身体の芯から温まるとのことで、特に寒い時期にはありがたいですね。温泉地の中心は藤原という地名ですが、その昔、源頼朝に滅ぼされて残党がここに隠れ住むことになった、奥州藤原氏の名前が由来なのだそうです。
周辺にはそれにまつわる古墳や供養塔などもあり、歴史ファンなら見逃せません。
バス旅でアウトドア気分!
豊かな自然に囲まれた群馬を旅するなら、アウトドアを楽しめるスポットもおすすめです。中にはハイキングや登山など、バス旅といいながらたっぷり歩く場所もありますが、体力をつけて臨んでみてはいかがでしょうか。
その1尾瀬(利根郡片品村)
尾瀬は、群馬・新潟・福島、三つの県にまたがる盆地状の高原です。標高1500メートル前後という高地にあり、周囲には至仏山や燧ケ岳(ひうちがたけ)といった2000メートル級の山々がそびえています。尾瀬の中心が尾瀬ヶ原という雄大な湿原で、その中を木の道が貫く風景が象徴的です。
尾瀬の付近には自動車道が通っておらず、バスツアーで行く場合も、最寄の登山口で降りてそこから歩くことになります。一番近いルートのひとつ、群馬側にある鳩待峠から入山する場合でも徒歩1時間程度はかかります。ややハードルは高いかもしれませんが、現地にたどり着けばそこには手付かずの自然が待っていますので、それを励みに楽しく歩いてみてください。
また尾瀬の南玄関口には尾瀬戸倉温泉がありますので、こちらも予定に入れておきたいですね。
その2谷川岳(利根郡みなかみ町)
群馬と新潟の県境にある谷川岳は、三国(みくに)山脈の中心となる山のひとつです。
山頂が二つに分かれているのが特徴で、それぞれ標高1963メートルの「トマの耳」、1977メートルの「オキの耳」と名前がついています。
初心者向けから上級者向けまで多様な登山ルートがありますので、時間があれば登山も楽しみたいところです。また一の倉沢などの岩場はロッククライミングの聖地とも呼ばれています。また谷川岳の南側には、森の中の静かな温泉地、水上温泉がありますので、登山と温泉、二本立ての旅にするのも良さそうです。
その3北軽井沢(吾妻郡長野原町)
浅間山の北側に位置する北軽井沢は、隣接する長野の軽井沢と同様に避暑地のリゾートとして知られています。800ヘクタールもある広大な浅間牧場や、この地域では最大といわれる浅間大滝など訪れたいスポットがいくつもあります。
中でも見ものは鬼押出し園。これは、1783年に起こった浅間山の大噴火により流出した溶岩が固まって生まれた景勝地で、いわば自然のテーマパークです。
火山の驚異的なエネルギーの痕跡を目の当たりにできる貴重なスポットといえます。
また北軽井沢は、雑木林があちこちにあって秋の紅葉の時期は見事な景観となります。草津温泉からも近いので、うまくスケジュールを組みたいところですね。
その4榛名湖(高崎市榛名湖町、吾妻郡東吾妻町)
群馬を代表する観光地のひとつとして親しまれるスポット、榛名湖。これは標高1449メートルの火山である榛名山の山頂に位置するカルデラ湖です。夏期には湖でボート遊びをしたり、遊覧船でゆっくり風景を眺めたり、また榛名富士とも呼ばれる榛名山を登山やハイキングで満喫したり、いろいろな方法で楽しめます。
8月に行われる榛名の祭りでは、湖上を彩る花火大会なども見ることができます。周辺はまさに自然の宝庫となっています。夏の夕方に咲く黄色い花、榛名湖のシンボルと言われるユウスゲをはじめ、ツツジやキキョウ、桜など様々な品種の植物が見られ、蝶などの昆虫類や、ニジマス・ヒメマス・ワカサギその他の魚介類も豊富です。
榛名湖のすぐ北側には伊香保温泉もあるので、一緒に訪れてみてはいかがでしょうか。
自分だけのお気に入りスポットを見つけて!
温泉と自然という二つのテーマで群馬のおすすめバス旅スポットを紹介してきました。どこも定番といえる場所ばかりですが、有名な観光地にはやはり行くだけの価値はあるようですね。そして群馬にはまだまだ多くの魅力が隠れています。
この記事を入り口にして、自分だけのお気に入りスポットを探してみるのもまた楽しいのではないでしょうか。